知床

多様な動植物が生息する神秘的で雄大な世界遺産

2005年に世界自然遺産に登録された知床(しれとこ)。道東の端に位置する大きく突き出た半島全体が「知床」と呼ばれており、「地の果て」または「岬」という意味があるアイヌ語の「シリエトク」が地名の由来とされています。
エリア内には、日本を代表する国立公園のひとつ「知床国立公園」が含まれています。半島の中心にそびえる高山や流氷が到着する海など、知床の陸と海が生み出す多様な自然環境が豊かな生態系と希少な動植物を育んでいます。

大雪山連峰

高山植物で色鮮やかに彩られる「北海道の屋根」

北海道最高峰の旭岳(2,290m)を主峰として、標高2,000m前後の山々が連なる大雪山連邦。緯度が高いため、本州の3,000m級に匹敵する厳しい高山環境を有しています。
その一部は、日本一広大な国立公園である「大雪山国立公園」に含まれており、周辺の十勝岳連峰や石狩岳連峰などの壮大な山々とともに「北海道の屋根」と呼ばれています。
豊富な高山植物や、氷河期の生き残りといわれるナキウサギなど、希少な生態系の宝庫でもあります。アイヌの人々はこの地の美しさを「カムイミンタラ」(=神々の遊ぶ庭)と表現しました。

アイヌ文化

アイヌ民族が語り継いできた独自の世界観と芸術

アイヌ民族は日本の北部周辺、主に北海道の先住民族です。彼らは、日本語とは系統の異なる言語である「アイヌ語」をはじめ、自然界すべての物に魂が宿るとされる固有の世界観や、国の重要無形民俗文化財に指定され、ユネスコ世界無形文化遺産にも登録された「アイヌ古式舞踊」や音楽、独特の文様による刺繍や木彫り等の工芸など、豊かな文化を発展させてきました。近年ではその伝統をふまえつつ、新たなアイヌ文化を創造しようとする活動もみられます。